イラストを描いてくる生徒2014/09/22

生徒は毎日,「家庭学習ノート」と「生活の記録」を提出することになっています。

「生活の記録」とは,次の日の授業の準備物や,その日の日記をちょこっと書くスペースがあるような冊子です。うちの学校は既製品を採用しています。

今日はこの「生活の記録」にイラストを描いてくることについてです。





今まで受け持った生徒に何人か,いろいろなイラストを描いてくる生徒がいました。

思い返してみると,やはり女子生徒ばかりでした。

そのとき流行っているキャラクターや,少女漫画チックなイラストを描いているパターンもありました。



私自身は,それを「許可」していました。

生徒の中には,言葉では表現できなくてイラストにしたほうが心を表現できる生徒もいると思ったからです。

生徒の日記にはコメントをつけるようにしていますが,イラストから生徒の心情を読み取ってコメントしていました。



あまり具体的なことは書けませんが,かつてキャラクターものを描いてくる生徒がいました。

私もそのキャラの可愛らしさから,コメント代わりにイラストを描いて返していたこともありました。

そんな絵日記のようなノートの交換が続いてくると,1コマ漫画でキャラクターがしゃべりだしたり,キャラクターに家族が増えていったりもしました。



しかしあるとき,そのキャラが大ケガをしていました。

お母さんキャラが娘キャラに攻撃されてケガをしています。

どうしたことか?と考え込みました。



そして思い出しました。

その子の家では,年の離れた赤ちゃんが生まれたばかりでした。

「もしかしたら,お母さんがその赤ちゃんにかかりっきりになってしまって,相手してもらえなくて寂しいんだな。」と勝手に考えました。

外れていた場合のリスクも考えましたが,自分の直感を信じて次のようにコメントしました。(記憶があいまいです。)

『お母さん,赤ちゃんが生まれて毎日大変だろうね。お姉ちゃんになったんだから,お母さんと一緒にがんばろうね。』



その子は精神的にも生活面でも,不思議なほどに安定しました。

これも勝手な想像ですが,たぶん,生徒の言葉にならない気持ちをイラストから読み取って,その子にとっての,適切なコメントができたからだと思っています。

そして,そのキャラものの日記も,まもなくして消えていきました。ブームが去ったからなのか,その子の気持ちが離れたからなのか分かりませんが,それはそれで構わないと思いました。





日記にイラストを描いてくる生徒がいたら,私はそのイラウトを見守るようにしています。

申し訳ないけれど,現場は忙しい。生徒一人ひとり,毎日全員に声をかけたり,直接的に心情を読み取るような時間は確保できません。

だからこそ,生徒からのこうした言葉にならないものを大事にしようと思っています。(まだまだできていないことは沢山ありますが。)

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