【理科室】理科室の備品を揃えたい(前編)2014/09/03

「揃える」には2つの意味があります。

1つ目は、足りないものを補う。

2つ目は、違うものを同じものにする。





1つ目の話、「足りないものを補う」です。

理科の予算には大きく3つあります。

一つは生徒から集めている実験実習費です。

うちの学校は一人につき年に300円を納めてもらっています。

生徒から集めているのですから、その生徒に還元できるものを買う必要があります(と考えています)。

薬品、指示薬(リトマス紙なども含む)、生物(オオカナダモ、メダカ、手羽先、イカなど)、割りばしや紙コップなどもですね。

有り難いのは、完全に一人に一つでなくてもいいこと。監査が甘くて、多少の融通が効くことです。

というのも、前任の先生の出納帳を見たら、「タッパ」というのがありました。

うちの理科室には、リトマス紙やゴム栓などの細々したものをしまっている大量のタッパがあるのですが、謎が解けました。

こういうのもこのお金で買っていいよということなのでしょう…たぶん。





二つ目は、学校の教材費です。

各教科で予算の取り合いにはなるのでしょうが、何かを買わなきゃならない教科は多くありません。

主に、理科と保健体育などの技能教科が予算を使っています。おかげで、大抵のものは、事務長に相談すると買ってもらえます。

特に理振の要求に通らなかったものは、事務長も目を通しているので、声をかけてもらえます。有り難い。

ただ困るのは、物によって生徒に1対1でなくてはならないことです。

例えば、ラジオ天気図用紙を買ってもらおうと思ったら、100枚綴りしかなく、事務長に「一人1枚にならないならダメ。」と言われてしまいました。

電源装置などの大きなもののときにはそんな風に言われないので、もしかしたら何か理由(ルール)があるのかもしれません。その辺が分からないので、たまに困ります。





三つ目は、理振の予算です。

国から理科教育振興法に基づく予算がつきます。

理振台帳というのがあって、学校でこれぐらいの備品は揃えておくようにという指針があります。そこには、それを揃えるのにかかる費用(A)も載っています。

学校では今までに買った備品にかかった費用(B)が台帳に記録してあります。

その二つから、充足率(B÷A)が求められます。物が揃っていない学校は充足率が低いわけです。

そして、その充足率が低い学校に優先的に予算が配分されるようです。



どうして充足率が変化するのか。

それは、理科の先生がちゃんと報告しているからです。

壊れた…。古くなった…。足りなくなった…。そういうことをちゃんと台帳に書いているかどうかです。

「壊れたけど、まぁいいか。」「古くなったけど、まぁいいか。」とやっていくと、理科室にはガラクタだけが溜まっていきます。

買ったことにはなっていますから、充足率は高いままで予算が付かないということになります。



昨年度の理科室の片付けのなかで、壊れた備品を廃棄処理してきました。

国で買ってもらったものですから、勝手に棄てることは許されません。ちゃんと事務長に正直に話して、手続きをしてもらいました。

「いやーさすがに昭和40年の標本はカビが厳しいです。」

「あのーこれ、冷温機ってなってますけどただの木箱です。」

「すでにありません。無いのに有ることになってるんですよ。」

そんな感じですね。



そして、廃棄すれば充足率が下がるので、新たに予算がつくようになります。

面白いのは、どこでその情報を得るのか、業者さんが営業に押し寄せてきました。すごいなー。

今年度はいくつか新しい備品を買ってもらいました。ちゃんとした冷蔵庫も入りました。有り難いなー。



(後半へ続く。)
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