第3理科室をつくってしまう2013/09/27

以前の学校に勤めていた時の話です。

その学校には理科室が二つありました。第1理科室と第2理科室です。しかし特殊なつくりでした。



第1理科室は理科準備室と一緒になっていて、あいだに壁も扉もありません。

生徒が薬品棚までふつうに行けてしまうので、4月の授業開きで「流し台よりも向こうには行かないように。」と指導していました。

しかも暗幕がありません。要望はしていたのですが、カーテンレールもなかったので設置は難しいと言われていました。


第2理科室は、生徒がいる校舎とは別棟の2階にありました。

暗幕もありますし、黒板も上下式で2枚分とれます。

理科準備室もありましたが、薬品棚はありません。第1理科室とは普通に歩いてしまうと10分もかかる距離にありました。



当時、理科教員は各学年に一人いましたので、3人で相談しながら使っていました。

新しい第1理科室が好きな先生、喧騒から離れた第2理科室が好きな先生、それぞれの好みで使っていました。

わたしは学年によって使い分けていました。一年生の頃は生物学や地学が多いので第1理科室でやっていました。二年生は化学実験が多いので、第1理科室で授業することが多かったです。

三年生になるとどちらでも良かったので、理科室を使いたい時間がかぶると譲ることが多くなりました。

しかも天体の学習は、暗幕が使える第2理科室でないと雰囲気が出ません。



そこで、3階の空き教室に目をつけ、第3理科室を作ることにしました。

学校で使っていない暗幕を見つけて、脚立を使ってカーテンにかけました。出入り口の扉には黒画用紙を貼りました。机もイスもなかったので、長机とパイプイスを体育館から運びました。

数学科が研究授業で使った電子黒板が、それ以降使われていないと分かったので運び入れました。

さらに、移動コンテナに納められた20台のノートパソコンが使わないままだったので、それも持ち込みました。充電タップが付いているので、コンセントは一つで済みます。授業が連続しなければ、バッテリーだけでもたせることができました。

おかげで、天体の単元のあいだだけでしたが、自分専用の理科室を持つことができました。

その後も他の先生方が使えるように、暗幕などもそのまま残しておきました。

困ったのは、生徒の掃除割り当てがなかったので、一日10分とはいえ自分で全部やっていたことです。

天体少女が3人いて、「天文同好会です」とか言いながら、ときどき手伝ってくれたのが幸いでした。懐かしい思い出です。
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