アドラー心理学を学び始めました。2016/11/01

アドラー心理学に関心を持ち始めました。

以前に1冊だけ本を読んだことがあって、その時にはそこまで感銘を受けたわけではありませんでした。(ごめんなさい。)

あのときは自己啓発の発展として、また自分が気に入っているNLPの背景としてちょっと読んどこうかな、くらいの感覚だったのです。





きっかけは最近になって、「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」を読んだことです。

古本屋さんで見つけて買ったあと、さらにFeBeで\800セールになっていて、思わずどちらも買ってしまいました。

それを繰り返し読んだり聞いたりしているうちに、自分の考え方や学級経営や非常に共感と納得を得たのです。



たとえば、文化祭の合唱練習のとき、「まじめに練習してくれないんです。」という訴えが時々あります。

もちろん学級担任として、クラスに指導を入れます。「ちゃんと歌おうね。」「歌わなきゃダメだよ。」なんていうふうに。

そしてさらにこんなことを言っていました。

「先生に怒られるから歌うの?そんな歌で誰が感動するの?自分達の合唱で、自分達が自分達自身で歌わないで、誰が嬉しいの?誰が喜ぶの?先生を喜ばせたいの?ちがうよね?先生のために歌っているんじゃないよね?」

そんな自分のセリフを思い出すと,これはアドラー的だな,なんて思ったのです。



また,自分の学級には不登校の生徒がいます。

守秘義務がありますから具体的な事情は一切書きませんが,これまで保護者や関係機関と連携を図りながらも,手詰まりになってしまいました。

自分自身が生徒と関われないのでどうしようもないと感じつつ,何かしたい,どうにかしたい,と思い悩んでいた時に,アドラー心理学に出会いました。

目的論,全体論,共同体感覚,課題の分離,問題行動の段階分け,自己受容,他者貢献,さまざまなキーワードがありますが,どれもこれも有効な考え方だと思いました。



そして勇気づけです。

アドラー心理学は「勇気の心理学」とも言われるそうですが,その根幹にあるのが,勇気づけというアプローチです。

一般的にダメだと言われる叱る教育,世間一般でよしとされている褒める教育,そのどちらも否定して,勇気づけろというのです。



褒めてもダメ,叱ってもダメ。勇気づけなさい。

意味が分かりません。いや,本を読んで(聞いて)理解はしました。

では具体的にはどんな言葉なのでしょう。相手を勇気づける言葉とはなんなのでしょうか。





何かこれまでの自分の考え方を一部否定し,これまでの自分のやり方の一部を理論化してもらった。

そんな否定と肯定の織り交ざった奇妙な感覚を覚えつつ,すっかりアドラー心理学にはまってしまいました。

私は真剣に勉強してみようと思います。



相手は変えられません。変われるのは自分です。

生徒が変わろうとしないならば,まず自分が変わろうと思います。

そして勇気づけというまだまだ全く理解できないアプローチを身につけたいと思います。

そんな宣言をするための記事でした。

(アドラー心理学を一口かじっただけの人間が書いています。誤解があったらごめんなさい。)

カンニングなのか内的対話なのか?2014/11/18

定期テストのあと,テスト監督に行っていただいた先生から,

「○○の視線が怪しかった。ずっと横のほうを見ていた。」

という報告を受けました。



さて,当然カンニングが疑われるわけですが,いきなり指導したりはしません。

念のため,「テストどうだった?」という風に切り出して,生徒の反応を見ます。

やってしまった生徒であれば,明らかに反応が違います。やっていない生徒であれば,素直に話し出します。

「勉強してきたところはできたんですけど,やってないところはダメでした。えへへ。」なんていう風にです。

大抵は,どうして(自分だけそんなこと聞かれるんだろう?)という顔をしながら答えます。



そこで,「いや,実はな,テスト監督に行かれた先生から,こういう話が出ているんだ。」と切り出して,事情を説明します。

「どうだ?心当たりはあるかな?カンニングをしたと言っているのではなくて,そう疑われることをしてないかな?」と聞くと,

「ああ,もしかしたら・・・」と認めました。

自分の動き(視線)は,カンニングと思われる可能性があることを認めたわけです。



それから改めて,「疑わしきは罰せずだから,カンニングをしたとは言えないが,やはりそういう誤解を受けないように気を付けないといけない。」という指導を行います。

もちろん,本当にやったとなれば厳しい指導と処分が待っていることも伝えます。

さらにもう一つ,私が話すことがあります。



人は,過去のことを記憶を思い出したり,内的対話を行うとき,左の方を見るという傾向があります。

NLPの「アイ・アクセシング・キュー」という考え方です。

もう少し詳しく言うと,

視線を左側に動かすときは,過去の記憶を思い出していて,

視線を右側に動かすときは,未来の想像を作り出している。

と,考えられています。



さらに,視覚優位,聴覚優位,体感覚優位という優位感覚を当てはめると,

視線を左上に動かす。 = 記憶された映像を思い出している。

視線を右上に動かす。 = 想像された映像を作り出している。

視線を左横に動かす。 = 記憶された音や声を思い出している。

視線を右横に動かす。 = 想像された音や声を作り出している。

視線を左下に動かす。 = 内的対話や,実体験を思い出している。

視線を右下に動かす。 = 想像できる触覚や体感を作り出している。

と考えることができます。

簡単に行ってしまえば,左を見ながら話すことは,過去のことを思い出して話している。右を見ているときはウソをついている,ということです。

もちろん,全員にぴったり当てはまるわけではありません。そういう傾向があるというだけです。

また,ここでの右・左は本人にとっての向きです。観察者からは左右が逆になりますから気を付けないといけません。



というわけで,このことを踏まえて,

「勉強したことを思い出そうとすると,つい左の方を見てしまうから,カンニングを疑われないように気を付けようね。」

「答案用紙をじっと見ながら視線を左にしようとすると,顔が右を向いてしまうから,誤解されないように気を付けようね。」

というアドバイスをします。

今回は,その生徒は思い当たる節があるようでした。「ああ~。」と納得していました。

コーチングの研修会2013/05/15

指導者講習会があり、運動部顧問という理由で行くことになりました。前半は精神的苦痛でしたが、後半は関心の高い内容でした。

以下、Evernoteでメモした内容です。やっぱり自分はネィティブコーチに近いことをやっていたようです。



『運動指導とコーチング』

成功とは、自分が成り得る最上の者となるために、最善をつくしたと自覚する充足感から生まれる心の平静さである。

指導…上から下に、教え導く。
コーチ…馬車。目的地まで馬車で送り届ける。

Teaching…知ってる人が知らない人に、手助けする(help)。教える。指導する。教え込む。
Coaching…手助けする(support)。質問を通してやりたいことを引き出す。支援する。引き出す。

「NLPコーチング」
コーチングとは、相手の思考プロセスに聞き耳を立てることである。
コーチの最も重要な仕事はよく聞くことだ。
有能なコーチはクライアントの思考プロセスを正確に映し出し、相手にそれを客観視するよう促すことができる。
コーチとして私が聞き耳を立てるのはクライアント(選手)の話の内容ではなく、その考え方、注意の向け方、その場面における重要要素の決め方である。

3大スキル
・傾聴…選手に自分の思っていること、考えていることを何でも話してもらい、それを余談を持たずして聴く。
・承認…選手の現状や考え方等に対して、それを認めて行く。
・質問…選手が自ら考えて答えを導き出せるよう仕向けて行くような質問をする。

ほめる
叱ることで、選手は考え、気づき、行動するようになる。
具体的な事実に対して、冷静に、成長を信じて
フィードバックする

導く方法
1)  ゴール設定
根拠を持って、具体的に。…自分の取り組みが思い描けるような
2)  ゴールに到達する手順の明確化
大雑把ではダメ。
3)  目標を唱え続ける
だんだんと目の前のことだけが目標になってしまい、何のために頑張っているのか分からなくなる。有言実行。
4)  肯定的な言葉で綴る
やってはダメと言われると、そのことだけが頭に残ってしまう。何をやっていいか分からない。
5)  タイムリーなアドバイス
小さなことでもできた時に、褒める。認める。練習の終わりに言っていては遅い。
6)プロセスを重視する
結果ではなく、途中を評価する。
シュートが入ったことではなく、フォームができた。周りが見えていた。

「ゴールへ向かう指導」

「遠回りかもしれないがゴールへ導く指導」
コーチの意図したルートではなくても良しとする。



・コーチングスキル、コーチングマインド

・コーチングは算数教育
8×3=
◻×◻=24
答えを得るルートはたくさんある!

・コーチとして必要な資質
主要な資質…勤勉さ、熱意、思いやり、判断力、自制心、正直さ、忍耐力、細部への注意深さ、公平さ、高潔さ
副次的な資質…優しさ、服装、話し方、順応性、協調性、主張、正確さ、油断の無さ、信頼性、楽天的資質、臨機応変さ、先見性

コーチング・テクニック
・コーチは教えに行かず、ただ選手を見守る。
・選手がアドバイスを求めてきた時に答える。

・コーチは一番早く練習場に行き、一番遅く帰る。
すべての選手について、今必要な課題を考え、練習方法を考えるため。

・選手がミスしても叱らない。もちろん怒らない。
選手が最大限の努力をしなかった時に叱る。

・時間は戻ってこない。
常に100パーセントやる。

・気づかせる。
選手が気づくように仕掛ける。仕向ける。
そのために、メニューの中で「困らせる、失敗させる。」
気づくための手伝いをする。

・選手とコーチの目線の関係
考えさせたり、気づかせるときには、コーチの目線を同じか低くなって話す。
叱る場合には、コーチが立って上から見る。座ったままではダメ。

・「誰を育てたか」を表彰する。

読書「先生と生徒の心をつなぐNLP理論」2013/03/01

本を読むのが遅いので,やっと読み終わった感じです。

NLPに関する本やオーディオブックを今年度はたくさん買いました。すごく面白くて勉強になります。

大学生のころはカウンセリング,現場に出てからはコーチングを学んできましたが,NLPは今までの集大成となる学問のように思います。

本書より
「NLPの基本前提」
①コミュニケーションとは相手の意欲を引き出すこと
②人はエクセレントライフを送るために生まれてきている。
 人は必要なリソースをすべて持って生まれている(生まれ持っている)。
③コミュニケーションは常に繰り返し起きている。
④チャンキング…どんなことでも,適当なサイズにすれば,達成可能である。
⑤肯定的意図,すべての人の行動の裏側には肯定的な意図がある。
⑥誰かにできることはモデリングすることで可能になる。
⑦人はいつでもベストの選択をしている。
⑧失敗はない,そこには学びがある。
⑨コミュニケーションの意味は相手の反応でわかる

本に出ていた「NLPの専門用語」
 ・エクセレントライフ
 ・ニューロロジカルレベル
 ・ラポール
 ・チャンキング
 ・モデリング
 ・リソース
 ・バックトラッキング
 ・ミラーリング
 ・ペーシング
 ・リーディング
 ・アイアクセシングキュー
 ・アズイフ
 ・ポジションチェンジ
 ・アウトカム
 ・メタモデル
 ・アンカリング
 ・ビジョン・タイムライン
 ・スウィシュ
 ・代表システム
 ・サブモダリティ

~~~本書を読んだ感想~~~
NLPのスキルを網羅したものが読みたい。あるいて手元に置きたい。さまざまな本からちょっとずつスキルを学んでいったのでは効率が悪い。

アンカリングやビジョン・タイムライン,エクセレントサークルのように,試してみると分かることがある。失敗を恐れずに試してみることだと思う。ただ自分にはスーパーバイザーがいるわけではないので,そこが不安であり弱点でもある。

否定的な言動をする生徒の肯定的意図を読み取るのが,いちばん大変かもしれない。

自分自身が成長していかなと,生徒を変えていくことはできない。自分を甘やかせないのは辛いな(笑)

これらのスキルを理科の授業のなかで明確に反映させていきたい。理科教育のレベルを上げたい。ICTも大事だけど,NLPも大事だと思う。

今までの理科 + ICT = 理科教育2.0 だったら
今までの理科 + ICT + NLP = 理科教育3.0を目指す(!?)

教卓の前に立つ2013/02/22

副担任の先生に「この1年間の私をどう思うか,フィードバックをください」と言われ,場所をあらためて話すことになりました。

教師1年目の彼は,「自分が教師に向いているのか?」「この1年間,自分はどうだったのか?」と悩んでいるそうです。「先生はわたしを見ていてどう思われますか?」と言われました。

「そういう風に自分を疑って悩んでいる時点で,十分に適正はあるよ。そんなことも考えたり悩まなくなったりしたら,逆に成長しなくなって危険だよね。」

悩んでいるからには,教えるというより話を聴いたほうがいいのかもしれません。ティーチングではなくコーチングしようと思いました。

いろいろと質問したり,自分の経験談や思いを語ったりしました。「最後に何かアドバイスをください。」と言われて,つぎの3つを話しました。

1つめ 『人から学ぶ』
いまの学校にいる先生だけでなく,今までに出会ったことのある先生,これから出会う先生について,その良いところを見つけて学んでいくようにする。Evernoteに先生ごとのノートをつくって,学んだことをメモしていくといい。

批判するのは簡単で意味がない。それよりも好き嫌い関係なしに,その先生のいいところを見つける努力をする。飲み会ではつい愚痴ったとしても,基本的にはリスペクトすることが大切です。

2つめ 『環境から学ぶ』
日番で巡回するときにカメラを持って歩く。教室の掲示などを記録するとともに,どういう考えでそうしているのか考えるようにしてほしい。

Q1 私のクラスの学級目標が,子どもたちから見て右上に掲示されているのはどうしてか?

Q2 私の教室の中で使っている画鋲の数はいくつか?また,両面テープが多用されているのはどうしてか?

3つめ 『自分から学ぶ』
ある時気が付いたのですが,わたしは自分の調子がいいとき,生徒に思いを伝えたいとき,面白い話をしたいときなど,ポジティブな時には教卓の前に立って話をしています。

逆に,自信がない,体調がすぐれない,話に迷いがあるときなど,ネガティブなときは教卓の後ろに立っています。心の弱みは足に出るので,足を隠したいと思うようです。気が付いたときには,何が原因か探るようにしています。

そこで,自分を鼓舞したいときには,あえて教卓の前に立つようにしています。NLPでいうところの「エクセレントサークル」というテクニックです。

教卓の前に立って自信満々に明るく楽しそうに思いを込めて語っているリソースフルな自分を想像します。そして今,自分が立っている周囲にフラフープぐらいのサークルをイメージして作ります。

調子が悪いときは,そのサークルをイメージして教卓の前に置きます。その中に立てば,自信満々の自分を取り戻せます。一種の自己暗示ですが,そういう自信をつけてきたのは,呪い師ではなくあくまでも自分です。自分で自分のことを思いだしているだけです。

自分を理解して,それに対処するためのテクニックを身に付けることも大切なことだよ。

そんなことを話しました。彼の参考になれば幸いです。

自分も若いころは迷いがありました。いや,正直言えば今でもあります。でもそうやって悩み苦しみ,耐えることが,教師として大切なことなのだと思います。

(途中で文体が変わっていてすみません。)

~~~

A1 人の視線というのは,脳の中を反映していると言われています。アイ・アクセシング・キューと言って,相手の眼の動きを観察して人の意識を読むNLPのテクニックです。それによると,右上は「自分にとっての未来の映像」を示しています。

そこで『教室の右上に学級掲示を貼ることで,見たときに未来の自分の姿をイメージする。』ことを意図しています。

A2 教室内で使われている画鋲の数は99コです。私にすると,この数は多すぎます。ちょっと気を抜くとここまで増えるのだな,と自分を戒めています。

以前に,てんかんの薬を飲んでいる生徒を受けもったことがあり,『もしも,子どもが教室内で走り回って転んだり,気を失ったりしたときに,床に画鋲が落ちていたら?』と考えて,できるだけ画鋲を使わないで掲示物を貼るようになりました。

両面テープを使うのが基本ですが,画鋲をつかうときはセロハンテープやガムテープで補強して,簡単には画鋲が落ちないようにしています。
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