教卓の前に立つ2013/02/22

副担任の先生に「この1年間の私をどう思うか,フィードバックをください」と言われ,場所をあらためて話すことになりました。

教師1年目の彼は,「自分が教師に向いているのか?」「この1年間,自分はどうだったのか?」と悩んでいるそうです。「先生はわたしを見ていてどう思われますか?」と言われました。

「そういう風に自分を疑って悩んでいる時点で,十分に適正はあるよ。そんなことも考えたり悩まなくなったりしたら,逆に成長しなくなって危険だよね。」

悩んでいるからには,教えるというより話を聴いたほうがいいのかもしれません。ティーチングではなくコーチングしようと思いました。

いろいろと質問したり,自分の経験談や思いを語ったりしました。「最後に何かアドバイスをください。」と言われて,つぎの3つを話しました。

1つめ 『人から学ぶ』
いまの学校にいる先生だけでなく,今までに出会ったことのある先生,これから出会う先生について,その良いところを見つけて学んでいくようにする。Evernoteに先生ごとのノートをつくって,学んだことをメモしていくといい。

批判するのは簡単で意味がない。それよりも好き嫌い関係なしに,その先生のいいところを見つける努力をする。飲み会ではつい愚痴ったとしても,基本的にはリスペクトすることが大切です。

2つめ 『環境から学ぶ』
日番で巡回するときにカメラを持って歩く。教室の掲示などを記録するとともに,どういう考えでそうしているのか考えるようにしてほしい。

Q1 私のクラスの学級目標が,子どもたちから見て右上に掲示されているのはどうしてか?

Q2 私の教室の中で使っている画鋲の数はいくつか?また,両面テープが多用されているのはどうしてか?

3つめ 『自分から学ぶ』
ある時気が付いたのですが,わたしは自分の調子がいいとき,生徒に思いを伝えたいとき,面白い話をしたいときなど,ポジティブな時には教卓の前に立って話をしています。

逆に,自信がない,体調がすぐれない,話に迷いがあるときなど,ネガティブなときは教卓の後ろに立っています。心の弱みは足に出るので,足を隠したいと思うようです。気が付いたときには,何が原因か探るようにしています。

そこで,自分を鼓舞したいときには,あえて教卓の前に立つようにしています。NLPでいうところの「エクセレントサークル」というテクニックです。

教卓の前に立って自信満々に明るく楽しそうに思いを込めて語っているリソースフルな自分を想像します。そして今,自分が立っている周囲にフラフープぐらいのサークルをイメージして作ります。

調子が悪いときは,そのサークルをイメージして教卓の前に置きます。その中に立てば,自信満々の自分を取り戻せます。一種の自己暗示ですが,そういう自信をつけてきたのは,呪い師ではなくあくまでも自分です。自分で自分のことを思いだしているだけです。

自分を理解して,それに対処するためのテクニックを身に付けることも大切なことだよ。

そんなことを話しました。彼の参考になれば幸いです。

自分も若いころは迷いがありました。いや,正直言えば今でもあります。でもそうやって悩み苦しみ,耐えることが,教師として大切なことなのだと思います。

(途中で文体が変わっていてすみません。)

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A1 人の視線というのは,脳の中を反映していると言われています。アイ・アクセシング・キューと言って,相手の眼の動きを観察して人の意識を読むNLPのテクニックです。それによると,右上は「自分にとっての未来の映像」を示しています。

そこで『教室の右上に学級掲示を貼ることで,見たときに未来の自分の姿をイメージする。』ことを意図しています。

A2 教室内で使われている画鋲の数は99コです。私にすると,この数は多すぎます。ちょっと気を抜くとここまで増えるのだな,と自分を戒めています。

以前に,てんかんの薬を飲んでいる生徒を受けもったことがあり,『もしも,子どもが教室内で走り回って転んだり,気を失ったりしたときに,床に画鋲が落ちていたら?』と考えて,できるだけ画鋲を使わないで掲示物を貼るようになりました。

両面テープを使うのが基本ですが,画鋲をつかうときはセロハンテープやガムテープで補強して,簡単には画鋲が落ちないようにしています。

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