【原稿】【金言】部活でできないことは2015/09/13

私がよく子供たちに話すことに,次のようなことがあります。

今年度は,教室後ろに掲示物としても貼りました。



「学級でやっていないことは、

      部活でできない。

 部活でできないことは,

    学級でやっていない。」



野球部の子供たちは年に何回かこの話を聞きます。その場合は,部活のところをグラウンドに言い換えます。

学級担任として,他の部活の子達のために「部活」としています。

うちのクラスの野球部の子らは,学級でも同じような話を聞くことになりますが,

上を応用すれば,「部活で言ったことは,学級でも言う。」ことになり,私自身がそれに従っているからです。



以下のことは試合に負けて反省しても,子供たちが何をどう改善していいか見いだせなくなってきたときに話すことが多いです。

部活動に対する考え方,取り組み方,さらには自分の在り方,生き方といった,根本のところに目を向けさせようとする話です。

これが部活動指導の根本だと,私自身は思っています。





「君たちと他の学校の違いはなんだい?

どこの学校も同じような練習をして,同じくらいの時間練習している。

何か特別な練習メニューなんてものは存在しないし,授業の時間を削って部活をやったりしない。

ただ何時間も練習すれば勝てるんだったら,どこのチームもきっと苦労しない。

でもなぜか,勝っていくチームと負けるチームに分かれる。その差は何だと思う?


(十分に間を取ります。)


部活に差がないとしたら,それ以外の部分。つまり,学校生活の部分だ。

想像してごらん。勝っていくチームってどんな学校生活を送っていると思う?

忘れ物したり,ルール違反したり,授業中に怠けていたりすると思う?

そんなチームは勝てないね。



強いチームというのは,きっと学校生活もきちんとしている。

学校のルールを守るから,野球の細かいルールを守れるし,

授業の50分に集中しているから,120分の試合にも集中していられる。

思い切って手を挙げて発言するから,試合でも思い切ってバットが振れる。



逆にも言えるね。

グラウンドに落ちているボールを拾う人は,教室でもゴミを見つけたら拾っている。

エラーしたチームメイトに声を掛けられる選手は,教室でしょんぼりしている友達にも声を掛けている。

グラウンドをきれいに均すことができる人は,黒板もきれいにすることができる。



教室ではいい加減だけど,部活ではちゃんとしていますとか,

教室ではやらないけど,部活ではできますとか,

そんな都合のいいことはない。あるわけがない。



本当に強いチームっていうのは,きっとそういうふだんの生活から意識が高くて,きちんとしている。

だから強くなっていける。勝っていける。

言い方を変えると,勝つにふさわしい。勝つ資格がある。といえる。

もっと言えば,もっと強いチームは,きっと家での生活もきちんとしているよね。



わかった?

部活でできないことは,学級でやってないの。

学級でやっていないことは,部活でもできないの。

自分の足元から,自分の根っこから,よく振り返ってみろ。」





こんな感じです。

あとは子供たちの実態に合わせて,話を足したり引いたりしていきます。

スケールダウンして言った方がいいチーム(学校・学級)もあります。

(例1)

だってそうでしょう?ちょっと具体的に言うよ。

学校のルール破って放課後に指導を受けていたら,部活できないんだよ。

気分悪いまま練習したって,強くなるわけないでしょう。

授業をしっかり受けて,休み時間にやることやって,少しでも早く校庭に来る。

だから強くなっていけるんでしょう。




スケールアップして言った方がいいチーム(学校・学級)もあります。

(例2)

想像してごらん。強い野球部がいる学校ってどんな学校だと思う?

朝のあいさつどうかな?

大会の日の朝と同じになってる?大会が特別だなんて思ってるから,できないんでしょ?

いつでも元気よく挨拶していたら,大会の日も物怖じせずに挨拶できるよね。


(例3)

部活より長く一緒にいる学級30人をまとめられなかったら,チームがまとまるわけないよね。

学級委員に何しになったの?リーダーシップを身に付けて,部活に生かすんでしょ?

クラスのみんなに早く帰りの学活をやるように,どんどん声を掛けたらいいでしょ?


(例4)

壮行会の準備や片付けを率先して手伝うとか,応援団で声を張り上げるとかしなかったら,

応援されるに相応しいチームじゃないよね。人を応援するから,応援されるんでしょ。

応援されなかったら勝てるわけないよね。





自分が今まで話したことを思い出しながら書いてみました。

もっといろいろ言っているのですが,その場でしか生まれてこない言葉もあります。

まずは先生が部活動に対してどのような考えで取り組むのかが問われると思います。

自分のなかで納得している本気の言葉でなければ,子供の心には響かないからです。

何かがいつかの参考になれば幸いです。

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