今年の文化祭を振り返って…。 ― 2016/10/16
今日やっと文化祭が終わりました。先生方もご指導お疲れさまでした。
今年の文化祭を振り返って,特に総合的な発表の時間について書いておきます。
うちの学校では,各学年ごとに30分の総合の発表の時間があります。
30分というのは結構な長さなので,各学年,趣向をこらして準備してきます。
先生方の指導も熱心に行われます。
私はどうするかというと,基本的には「放置」です。
いや,もちろん,完全に放置するわけではありません。
仕組みと流れを作ったら,基本的に見守っています。
彼らが協力を求めてきたり,ギリギリどうにも気が付かないところがあったら,
声を掛ける,アイデアを提供する,口を出す,手を貸す,代わりにやる,
ということです。
ではどんな仕組みと流れを作ったかというと,
まず,クラス23人を3つのチームに分けました。
去年1年生のときは郷土学習で地域の施設3ヶ所を訪問したので,それぞれ均等に3つのチームに分けました。
今年2年生は職場体験がメインです。1施設に1人2人しか行っていませんから,施設ごとに分けることはできません。
今回は「劇チーム」13人,「パワポチーム」4人,「掲示チーム」6人というふうに分かれてもらいました。
パソコンを扱う「パワポチーム」はパソコンが得意な生徒にやってもらい,センスが問われる「掲示チーム」は手先が器用な生徒達にやってもらい,それ以外は劇をやろうと意図しました。
もちろん,パソコンが得意な4人なんて分かりません。掲示のセンスも分かりません。
誰がどのチームに入るかは,子供たちの判断に任せました。多少人数が変動してもいいという気持ちでした。
特に強制したわけでもないのに,生徒達はこちらの想定した人数に分かれてくれました。
つぎに,総合の発表のメインとなる劇の台本づくりです。
これは大雑把なあらすじを説明します。叩き台がなければ話し合いは進まないからです。
もちろん,生徒が何か意見を言えば取り入れられる,余裕のあるおおまかな粗筋です。
そして,ストーリーの起承転結のなかで柱となる「起」と「結」の部分を,生徒の一人に書いてもらいます。
一番大切な部分なので,その生徒とはよく話し合い,一生懸命考えさせます。
また,「承」と「転」の部分も小分けにして,劇チーム以外の生徒に発表してもらうことにしました。
劇チームの生徒は暗記するセリフが多いからです。
今回の職場体験の劇を例にすると,
「起」…劇の導入。職場体験のイメージ。職場体験の前にどのようなことを学んだのか。
「承」…劇のメインとなる部分。職場体験でどのようなことを学んだのか。
「転」…劇のメインを補足する部分。アンケート結果や,職場体験の後にどのようなことを学んだのか。
「結」…劇のまとめ。「承」と「転」からどんなことが分かり,どんなメッセージを観客に届けたいのか。
こんな感じです。
それから,劇のモチーフについても説明します。今年は「クレヨンしんちゃん」でした。
なぜそうなったのかは「学級のカラーだから」なのですが,劇にはハローワークのおじさんや経済産業省の役人さんなども出てきたり,保護者や職場の方のアンケートを提示したりして,職場体験を多面的に捉えられるようにしました。
さらに,体育館への掲示物にも注目してもらえるように,劇の中で説明させました。
「掲示」チームは職場体験新聞を貼るだけでなく,職場体験チャートというのを模造紙でつくって,YES/NOで選んでいくと,どの新聞を読むといいのか選べるように仕組みました。
ふつうは掲示されている新聞なんてその子の保護者くらいしか読みませんが,自分で選んだ結果となれば気になって読んでくれるはずです。
こうすることで,せっかく作った新聞にも脚光が当たるようにしたのです。もちろん,劇の中でしんちゃんも同じように考えます。
ちなみに,当日仕事のなくなった「掲示」チームの生徒にはスポットライトをやってもらいました。
「パワポ」チームは劇に合わせて,パワーポイントを制作していきます。
スクリーンはステージの壁なので,劇の背景としても使えます。大道具を作る必要はありません。
教室の写真,正門の写真,ハローワークの写真などを準備してもらいました。
さて,私が主に手出しをしたのは,やはり「パワポ」でした。子供たちはパソコンの操作,特にパワーポイントの操作に習熟していません。
BGMや効果音,アニメーションなどもうまく扱えませんから私の方でやりました。
ちなみに,パワーポイントのデザインは標準で入っているテンプレートではありません。
自分でネットから見つけてきたフリーのテンプレートを使いました。
こうするだけで,パワポがありきたりのものではない,特別なプレゼンツールになります。
パワポに見飽きてきたら,ネットで探してみるのもいいと思います。
台本の清書や推敲,スポットライトや効果音などのト書きもやっています。
でも,大元を作ったのはあくまでも生徒です。演技の練習やギャグの練習をしたのも生徒達です。
そこでふざけようが,ケンカしようが,それを乗り越えてくれることを信じて待ちます。
もし指導・助言をして手直しするときも,生徒の同意を得ながらやっています。
生徒がどうしてもこのギャグを入れたいと言ったら,すべってもいいならやってごらんと尊重します。
30分の発表に対して,リハーサルで29分58秒で終ったときには自分でも驚きました。
このようにして,文化祭での発表にこぎつけました。
生徒達も,自分たちの手で発表を成功させることができ,満足して終わることができました。
先生方からも,保護者や小学校の先生方からも好評でした。
以上,1年前の文化祭から構想していた,総合の発表についての振り返りでした。
今年の文化祭を振り返って,特に総合的な発表の時間について書いておきます。
うちの学校では,各学年ごとに30分の総合の発表の時間があります。
30分というのは結構な長さなので,各学年,趣向をこらして準備してきます。
先生方の指導も熱心に行われます。
私はどうするかというと,基本的には「放置」です。
いや,もちろん,完全に放置するわけではありません。
仕組みと流れを作ったら,基本的に見守っています。
彼らが協力を求めてきたり,ギリギリどうにも気が付かないところがあったら,
声を掛ける,アイデアを提供する,口を出す,手を貸す,代わりにやる,
ということです。
ではどんな仕組みと流れを作ったかというと,
まず,クラス23人を3つのチームに分けました。
去年1年生のときは郷土学習で地域の施設3ヶ所を訪問したので,それぞれ均等に3つのチームに分けました。
今年2年生は職場体験がメインです。1施設に1人2人しか行っていませんから,施設ごとに分けることはできません。
今回は「劇チーム」13人,「パワポチーム」4人,「掲示チーム」6人というふうに分かれてもらいました。
パソコンを扱う「パワポチーム」はパソコンが得意な生徒にやってもらい,センスが問われる「掲示チーム」は手先が器用な生徒達にやってもらい,それ以外は劇をやろうと意図しました。
もちろん,パソコンが得意な4人なんて分かりません。掲示のセンスも分かりません。
誰がどのチームに入るかは,子供たちの判断に任せました。多少人数が変動してもいいという気持ちでした。
特に強制したわけでもないのに,生徒達はこちらの想定した人数に分かれてくれました。
つぎに,総合の発表のメインとなる劇の台本づくりです。
これは大雑把なあらすじを説明します。叩き台がなければ話し合いは進まないからです。
もちろん,生徒が何か意見を言えば取り入れられる,余裕のあるおおまかな粗筋です。
そして,ストーリーの起承転結のなかで柱となる「起」と「結」の部分を,生徒の一人に書いてもらいます。
一番大切な部分なので,その生徒とはよく話し合い,一生懸命考えさせます。
また,「承」と「転」の部分も小分けにして,劇チーム以外の生徒に発表してもらうことにしました。
劇チームの生徒は暗記するセリフが多いからです。
今回の職場体験の劇を例にすると,
「起」…劇の導入。職場体験のイメージ。職場体験の前にどのようなことを学んだのか。
「承」…劇のメインとなる部分。職場体験でどのようなことを学んだのか。
「転」…劇のメインを補足する部分。アンケート結果や,職場体験の後にどのようなことを学んだのか。
「結」…劇のまとめ。「承」と「転」からどんなことが分かり,どんなメッセージを観客に届けたいのか。
こんな感じです。
それから,劇のモチーフについても説明します。今年は「クレヨンしんちゃん」でした。
なぜそうなったのかは「学級のカラーだから」なのですが,劇にはハローワークのおじさんや経済産業省の役人さんなども出てきたり,保護者や職場の方のアンケートを提示したりして,職場体験を多面的に捉えられるようにしました。
さらに,体育館への掲示物にも注目してもらえるように,劇の中で説明させました。
「掲示」チームは職場体験新聞を貼るだけでなく,職場体験チャートというのを模造紙でつくって,YES/NOで選んでいくと,どの新聞を読むといいのか選べるように仕組みました。
ふつうは掲示されている新聞なんてその子の保護者くらいしか読みませんが,自分で選んだ結果となれば気になって読んでくれるはずです。
こうすることで,せっかく作った新聞にも脚光が当たるようにしたのです。もちろん,劇の中でしんちゃんも同じように考えます。
ちなみに,当日仕事のなくなった「掲示」チームの生徒にはスポットライトをやってもらいました。
「パワポ」チームは劇に合わせて,パワーポイントを制作していきます。
スクリーンはステージの壁なので,劇の背景としても使えます。大道具を作る必要はありません。
教室の写真,正門の写真,ハローワークの写真などを準備してもらいました。
さて,私が主に手出しをしたのは,やはり「パワポ」でした。子供たちはパソコンの操作,特にパワーポイントの操作に習熟していません。
BGMや効果音,アニメーションなどもうまく扱えませんから私の方でやりました。
ちなみに,パワーポイントのデザインは標準で入っているテンプレートではありません。
自分でネットから見つけてきたフリーのテンプレートを使いました。
こうするだけで,パワポがありきたりのものではない,特別なプレゼンツールになります。
パワポに見飽きてきたら,ネットで探してみるのもいいと思います。
台本の清書や推敲,スポットライトや効果音などのト書きもやっています。
でも,大元を作ったのはあくまでも生徒です。演技の練習やギャグの練習をしたのも生徒達です。
そこでふざけようが,ケンカしようが,それを乗り越えてくれることを信じて待ちます。
もし指導・助言をして手直しするときも,生徒の同意を得ながらやっています。
生徒がどうしてもこのギャグを入れたいと言ったら,すべってもいいならやってごらんと尊重します。
30分の発表に対して,リハーサルで29分58秒で終ったときには自分でも驚きました。
このようにして,文化祭での発表にこぎつけました。
生徒達も,自分たちの手で発表を成功させることができ,満足して終わることができました。
先生方からも,保護者や小学校の先生方からも好評でした。
以上,1年前の文化祭から構想していた,総合の発表についての振り返りでした。
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