読書「中学校理科授業成功の極意」2013/10/18

前に読んだのは「理科授業成功の極意」(大前暁政先生)でした。

大前先生は小学校の先生ですが,本書の著者である海老崎功先生は中学校・高校で教員経験のある方です。

その海老崎先生の2年間の中学校教員生活の実践をまとめたものと思っていいかもしれません。



実は大前先生の本を見つけたときに,非常にタイトルの似た本があるな~と気にはなっていたのですが,Amazonでの購入には至りませんでした。

しかし,その後すぐにTSUTAYAの教育書コーナーをふらっと寄ったときに現物を見つけたのです。

そしてパラパラっと見たその内容に,一気に共感を覚えました。

最初の内容が,開かずの間と言われた理科室をきれいにしたという話です。共感ポイントその1でした。

「理科室がヒドイ」
http://kani.asablo.jp/blog/2013/04/21/6785470

最後に書かれていたのは,わたしも科学リテラシーとして非常に関心のある,DHMO問題についてです。共感ポイントその2でした。

「DHMOに反対しよう」
http://kani.asablo.jp/blog/2012/07/11/6548689

こういう共鳴する部分が多いと,買って読んでみようという気になります。



実際,内容は非常に強烈で,かつ説得力のあるものでした。2年間の現場経験とは思えません。(経歴を見れば,いかなる人物かわかります)

帯に書かれている「教科書掲載の実験はすべて行う」,「黒板を一切用いない授業」,「ノート取りタイム」,「1日1題の夏休み課題で基礎基本を復習」はどれも興味をそそられるものです。

他にも,教育実習生の指導,自作教材の取り組み,サイエンスショーの要素を取り入れる,入試対策などについて,先生なりの考えと実践が書かれています。

以下,わたしなりの感想です。



「教科書掲載の実験はすべて行う」について

聞いただけでスゴイと思います。どうやったら毎時間に生徒実験や演示実験を行えるのか…正直わたしには分かりません。それだけのネタをもっていません。



「1日1題の夏休み課題で基礎基本を復習」について

わたしはサマープレゼントという夏季休業専用の一問一答集を配付しています。いわゆるドリルです。これによって,基礎基本の定着を図っています。

先生のこの1日1題というのもアリだなと思いました。途中や最後の問題にも先生なりの意図が込められており,マネしたくなりました。



「黒板を一切用いない授業」,「ノート取りタイム」について

黒板の代わりにプロジェクターで,巨大スクリーンに板書内容をすべて写しだします。こうすることで,学習内容の平均化(クラスごとのばらつきを無くす)ができるそうです。

また,それを書き写す時間をノート取りタイムとして設定して,テレビでカウントダウンを表示します。そうすることで,生徒は集中力と見通しをもってノートに向かえます。時間が長ければ丁寧に,短ければ色ペンなど使わずに,という感じです。

これについては,最初はどうかと思ったのですが,自分の授業を振り返ってみて,すぐにその効用を想像できました。

自分が黒板に書いているあいだ,生徒は待っているしかありません。リターンの授業をやっているうちに,クラスによって内容が変化するのも経験済みです。

しかし,自分がパソコンでプロジェクターで映すだけにすれば,それを生徒が写すのを待つ間に,演示実験の準備をしたり,机間指導したりできるのです。

これはすこし時間をかけて思考してみる,または試行してみる価値がありそうです。
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