ICTを活かした授業づくり講座(2)2013/09/13

小学校でICTを活用した研究授業が行われたので参加しました。その後,大学の先生からの講義がありました。

以下,Evernoteに書いたメモより



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○提案授業
 体育館で算数の授業をやっている。
 先生も慣れていないのだろうけど、見せる授業としてはテンパりすぎ。

①フラッシュ
 同じ問題でも、一回目よりも二回目を早くする。
 終わったあとに評価の言葉をかける。
 ジェスチャーで◯と×をやらせると、動きがあって飽きにくい。
 いろいろなパターンの問題を答えさせる。

<自分の考え>
 理科の場合「重要語句の読み仮名を答えなさい。」でもいい。
 前回の講習の通り,最初にきちんと問題を示したほうがいい。
 機器が邪魔でスクリーンが見えない。機器をどこに置くかきちんと検討する。
 ほとんどの子どもの口は動いている。緘黙の子がいたらどうするか?



②導入
 「1mの値段が□円のリボンを3m買います。代金はいくらですか。」

<自分の考え>
 課題の提示が唐突に感じた。どうしてリボンを3m買うのだろう?
 先にフラッシュをやるのはいいが、それと本時の課題がつながっていない。
  (オリンピック採用種目のフラッシュなどをやっていた)



③展開
 めあてとして、課題が整理されて提示される。
 「312×3 (3けた×1けた) の計算の仕方を考えよう。」

<自分の考え>
 計算の仕方に名前がついているのが面白い。先生と子どもたちで今まで考えてきた積み重ねだろう。
    お金に置き換える、かねざん法
    数字をわける、ぶんしん法
    足し算にしてしまう、れんぞくプラス法

<生徒の発表のパターン>
  説明しながら、「ここまでは分かる?」「みんなはどう思う?」と聞く。
  生徒に発表させるあいだに、先生がそれを板書する。
  子どもにも,短くても指し棒があったほうが分かりやすいのではないか。

  書架カメラで、生徒にノートを写させながら発表をせさるのはいいと思う。
 さらに言えば、生徒のノートを撮影してしまう。再利用できる。




④まとめ
「312×3の計算も、位に分ければ、九九でできる」

  一年生からの教科書のコピーをスクリーンに写して、今までの学習を振り返らせることで,これまでの学習を価値づける。


<自分の考え>
 体育館で行っているため普通の黒板ではないが,授業の終わりの板書は構造的といえるか。

 子どもの発表を整理して、余白を取るようにしないと、追加の書き込みをするほど、こちゃこちゃしてしまう。
 子どもはどこをどうノートに写せば良いのか困っていないか?

パソコンをワイヤレスマウスなどで遠隔操作すれば、タブレットと同じように机間巡視しながら操作ができる。



○授業者自評
 ICT活用と授業の本質
  基礎的、基本的な知識や技能に、発表する力をつけさせたい。
  筆算の意味理解を先にさせて、それから筆算を繰り返し解かせる。




○講義「ICTを効果的に活用した授業づくり」
・ICTのCは、コミュニケーションのC、それはFace to Faceのことを指している。

・ICTを足し算の道具ではなく、引き算の道具にする。追加して行くだけでは、他のことを削らなくてはいけなくなる。

・学習指導要領の行間を読み取るようにする。学習指導要領を読まずして授業を作ってはいけない。

・自分流の単元構成、授業設計をしていく。それでも、自分の授業は自分にしかできない。他の人に自分の思い、意図を伝えられないから。

・教科書の行間を読み取る。例題の数字にも意味がある。
   312×3の、312は繰り上がらないからだ。

・教科書には「考えましょう」「言いましょう」「話し合いましょう」と学習活動も提示されている。他の学習活動を取り入れると、時間が足りなくなる。

・教科書にある余白は、子どもが自由に書き込めるようにするためにある。

・発表させる子どもを決める。全員に発表させるわけにはいかない。誰に軸足を置くか決める。

・教壇というのは、生徒が立って黒板に書けるようにするためのもの。教壇とは「協力する壇」である。

・「学習の連続性」ということが大切なら、家庭学習も考慮にいれる。

・教科書を教える、ということは、教科書を伏せる、教科書を使わないということ。

・教科書で教える、ということは、教科書を参考書がわりに使わせるということ。

・スクリーンに写すものは、生徒が持っているもの。例えば教科書やワーク、資料集だけにする。そうでないと、生徒は後からそれを見直せない。

・スクリーンの真ん中に写すと、その余白に書き込んだことを、生徒も同じように教科書に書き込むことができる。

・先生はしゃがんで、生徒と同じ目線より低くなって授業をする。上からだと「教える」、しゃがむと「学び合う」になる。

・課題は模造紙ではなく,あくまでも自分で書く。それが生徒のペースになる。

・OHCやパソコンを使うときには、生徒に尻を向けないようにする。Face to Faceの考えを大事にする。

・机間巡視は、単純にほめればいい。自分の意図にあった解答を探すためではない。自分の軸足ではなく、生徒の軸足を大事にする。そのために、先生はたくさん動くようにする。

・312+312+312を入れるのは、「これまでに学んだことを生かす」のが数学的思考というものだから。数理では、数学的用語を使うようにする。

・ICTはあくまでも道具である。ICTを使うと、生徒が教科書を使って自分で勉強ができるようになる。

・ICTを使うと、先生がその分早く帰れたり、教科書の行間を読み解くような教材研究をする時間が作れるようになる。



<研修中に閃いたタスク,アイデア>
□フラッシュの問題をつくり、右ネジの法則やフレミングで答えさせる。
  (ジェスチャーで答えさせる問題を考えたい。)

□教科書の「問い」「考えてみよう」を参考にして発問を組み立てていく。
  (教科書のその部分だけを読んで,学習指導要領と比較してみる。)

□ メンデルの実験をプロジェクターで作っておく。そうすれば教科書を読まなくて済む。
  (先日の授業で,久しぶりに教科書に頼ってしまった。)

□ 教科書の写真に基づいた動画を探す。

□ 教科書を押さえつけるアクリル板を買う。

□「WSで書いたことを、教科書のどこに書いてあるか、探し出してマーカーで見つけてくる。」という復習や自学をやらせる。
  (いつからやらせるか,4月からが一番いいのだが…)

□サンデープレゼントをやらせたら、月曜日にはそれのフラッシュをやる。それが学びの連続である。
  (でも毎時間フラッシュをやる時間はとれないな~。)




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今回の研修は,前回の講習よりもさらに具体性があって良かったです。

「ICTを活かした授業づくり講座」
http://kani.asablo.jp/blog/2013/07/09/6922389

大学教授の講義も,ユーモアもたっぷりで中身も示唆に富んでいて有意義なものでした。先生方もずっと引き込まれるように聴いていました。

教授はiPadにプロジェクターをつないで,iPhoneで遠隔操作するプレゼン方法を「すごいでしょ?」という感じで話していましたが,(すでにやってる…。AppleTV使えばiPhoneも要らない。)と内心で思ってしまいました。

「WLAEをアドホックにする」参照
http://kani.asablo.jp/blog/2013/04/04/6768340

また,教授は「自炊って知ってます?」と言って,教科書の背表紙を裁断機で切って,ドキュメントスキャナで取り込む話をしていましたが,(すでにやってる…。しかも教科書2社分やってる。)と内心で思ってしまいました。

「自作デジタル教科書への挑戦(2)」参照
http://kani.asablo.jp/blog/2012/08/17/6711576



そんな感じで,個人でできるレベルでは,実は意外と最前線のことをやっているのかもしれない,なんて感じました。

あとは教授がおっしゃったように,あくまでもICTを道具として使って,授業の本質に迫るような研究が必要になってくるのだろうと思います。

そのヒントはすでに掴んでいると思っているのですが,まだまだ研究は進みません。理科室が片付いたので,これから再スタートです。

「教育研究発表会へのきっかけ」参照(2013/09/14Up)
http://kani.asablo.jp/blog/2012/11/30/6982172

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