H18卒業文集「ヒーローが教えてくれた」2007/03/13

子どもの頃から「ヒーローもの」が好きだった。

○○戦隊××ジャーに始まって、ウルトラマンや仮面ライダー、孫悟空も好きだったし、バットマンやスパイダーマンも好きだった。

強く優しくカッコいい、そんなヒーローに憧れた。強くなりたかったし、優しい人間になりたかった。そんな少年時代だった。

やがて、あることに気付いた。ヒーローが涙を流しているのである。

仮面ライダーは改造人間にされながら、自分と同じような怪人と戦い、ウルトラマンは人々を守りながら、身勝手な人間に怒る怪獣を倒し、そして泣いていた。

なぜヒーローが泣くのか。大人になる頃、ようやく答えを見つけた。

彼らは悪者と戦いながら、悪者が悪者になってしまった背景を知っていたからだ。それが優しいということだ。他人の弱さを知ろうとする優しさ、悪いことをする理由を理解する優しさ。それでも尚、悪いことは悪いと言える強さ。弱い人を助け、悪いことに立ち向かえる強さ。

「強くなくては生きていけない。優しくなくては生きていく資格がない」

という格言がある。確かにそうだろう。しかし、強いだけではわがままだ。優しいだけでは偽善者だ。両方兼ね備えたものがヒーローなのだ。

あなたよりも弱い人は必ずいる。ヒーローは問うている。

あなたの持つ強さは弱い人々を守る強さか、わがままを言う強さか。あなたの優しさは弱い人々の自立を助ける優しさか、優越感に浸るための優しさか。

みんなにヒーローになってほしい。そして、みんなでこの地球を救ってほしい。世界を一つに、笑顔を無限に、涙を虹に変えてほしい。

「言葉にするのは簡単だ。行動で示そう。」みんなでがんばろう。

(平成18年度 卒業文集より)

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