【理科室】薬品は使う分だけ買った方がいい2015/03/20

理科薬品庫にどれぐらいの種類の薬品がありますか。

うちの理科室は今までの勤務校に比べると,少ない方でホッとしました。

使いもしない,使いきれもしないほどの薬品がある学校があります。「新品の塩酸10本とか,何年分だよ!」と思ったことがあります。



学校ごとにいつ行うかという決まりがあると思いますが,全量点検のときの苦労を思うと,ほんと嫌になりますね。

発展内容で使えるかもしれないという薬品も,ほどほどの種類と,少ない量で構いません。

例えば炎色反応やスライム作りなど,選択理科で扱いそうな題材の薬品はあってもいいかもしれませんが,たくさんは要りません。やるとなれば,そのとき注文すればいいのです。

薬品はできるだけ少ない方がいいです。

使わない薬品はもちろん要りません。

薬品がたくさんあるということは,それだけ管理のリスク(破損,変質,事故,盗難)が高まり,手間(全量点検,一覧表作成,使用簿作成)がかかるということです。



実際に授業で困るのは,単体の金属です。

「銅を燃焼させて質量が何g増えるか。」という実験がありますが,そこから銅に結合した酸素の質量を求めて,定比例の法則にもっていきます。

そのとき,新品の銅であればちゃんと質量が増えて,何回目かの燃焼で,教科書通りに一定の質量増加で落ち着きます。

しかし,数年前に買ったような銅だと,すでに空気中の酸素と化合してしまっていて,燃焼させてもなかなか質量が増えないということが起こってしまいます。

当然,生徒はそんな事情は知りませんから,「失敗した。」「うまくいかない。」となってしまいます。



「炭素で還元すればいい。」なんて机上の空論です。現場にそんな余裕はありません。

単体の金属粉末(銅,鉄,マグネシウム等)はできるだけ年度で使いきれる量だけ購入しましょう。単元に入る前に余裕をもって注文すればいいだけです。

まだまだ残っている銅粉末の薬品瓶を前に,思ったことでした。
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